『増補版 えん罪原因を調査せよ』
袴田事件再審無罪判決が確定した。確定判決は、みそ漬けされた衣類について捜査機関による証拠の捏造であると断定した。では、どの捜査機関がどのように捏造したのか、具体的に調査して明らかにすべきだろう。それは国の責任である。しかし、肝腎の捜査側はそこまで踏み込んだ解明をしない。その調査を当該捜査機関に任せることはできないのだ。
大川原化工機事件では検察がなぜ保釈に反対し続けたのか、裁判所がなぜ保釈を却下し続けたのか、明らかにされない。
福井前川事件では、検察は、事件の日のテレビ番組とされた供述が実はその1週間後の番組であったからでっち上げであったことを認識しながら、なぜその供述を維持し続けたのか、何も説明がない。
えん罪を生み出す原因を究明する声が高まり、それを検証する第三者機関の必要性がその都度強調されながら、一向に実現されない。とりわけ権力機関に対しては、それをチェックする独立した機関が必ず必要なのだ。
ついに、『増補版 えん罪原因を調査せよ 国会に第三者機関の設置を』(勁草書房)が出版された。指宿信教授による書下ろし論文「誤判原因究明制度の確立を 袴田事件を教訓として」を追加掲載し、増補版が作成された。
どのような第三者機関が望ましいか、まとまった研究は本書しかない。本書では、「国会原発事故調査委員会」にならって、国会に第三者機関の設置を求めている。
日弁連人権擁護委員会えん罪原因究明第三者機関特別部会編。特別部会の前身は、日弁連えん罪原因究明第三者機関ワーキンググループ。
故西嶋勝彦・袴田事件弁護団長がこのワーキンググループ座長として本書作成に直接関わった。私も副座長として関わり、増補版出版に漕ぎつけた。
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