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2022年1月

2022年1月 9日 (日)

2021年プロ野球回顧

オリックスバッファローズのパリーグ優勝は、阪急ブレーブス時代からのファンである私にとって、最高のプレゼントだった。

コロナ禍、大谷翔平とオリックスの活躍に救われたともいえよう。

昨年の1年間、オリックスが負けた試合をテレビで見ても充実感があった。

次はこうすればいい、と監督になったつもりで、教訓を得ることがその日の収穫と思え、楽しめた。こんな気分になったのは初めてだ。

ヤクルトスワローズとの日本シリーズ対戦は、誰からも面白かったとの評判。

力が拮抗したチーム同士で、どちらが勝ってもおかしくない試合が続いたからだろう。

日本シリーズでオリックスが負けても、やはりそれなりに楽しかった。

2年連続最下位のオリックスがこれだけ注目され、見直され、かつ試合内容もヤクルトと対等にたたかい、充実していたからだ。その落差に微笑んだ。

でも、正直なところ、走攻守監督、すべての面で、少しずつ、ヤクルトが上だと思った。

オリックスが負けたのは仕方がないと思う。ラッキーがもう少しあれば勝つ可能性もあったと思うが。

監督の差について最終の試合でいえば、投手に代打を送らず、次に投げさせて打たれて降板というところは、やはり代打を出すべきだった、結果論だが。

ジョーンズが敬遠される状況が見えながら、そうさせてしまい、1打席も打たせられなかった。

これらは、DH制のパリーグ監督故の不慣れと思われるが、1点差ゲームに響いた。

そもそも、日本シリーズ開始前に、ヤクルト高津監督が先発投手の登板予告を拒否した時点で、オリックスは負けるかなと思った。

恥も外聞もなく拒否したところに、日本シリーズにかける高津監督の意気込みを感じたからだ。そして、「絶対大丈夫」と選手たちに言い続けた。

それに対してオリックス中島監督は、それでも先発投手の登板を概ね予告した。対抗上、予告は拒否すべきだったろう。ここにスマートさを気にして、勝負に対する執念の相対的な弱さを感じたといえば言い過ぎであろうか。

それでも中島監督を非難するつもりはない。

リーグ戦での中島監督の采配ぶりには感心した。

リーグ戦開始当初、ショートの紅林がミスを続けながらも使い続けた。

杉本がとんでもないボールを空振りして三振を繰り返しながらも使い続けた。

周りからそれなりには非難があったろう、と思う。

それでも使い続けた監督の見識と意地に頭が下がる。それでリーグ優勝したことは間違いないのだから。

今年はリーグ優勝にとどまらず、日本シリーズ制覇に意欲を燃やすであろう。

他球団も負けてはいまいが、今年がさらに楽しみだ。

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2022年1月 7日 (金)

『小説 岩波書店取材日記』

中野慶著(かもがわ出版)の本書は、小説の形をとってはいるが、岩波書店の職場が経営と労働組合の関係性を軸にして細部までリアルに描かれている。岩波の中にいた人間でなければ絶対に書けない書である。

知は力なり。岩波書店の伝統に対する愛着。特定のイデオロギーにとらわれず、政党政派に偏ることなく、しかし断固として平和と民主主義の前進を追求する立ち位置に対するリスペクト。

同労組の古さと純粋さと柔軟さ。その人間性に対する信頼。

著者は、岩波書店と同労組に対する限りない愛情をもって綴る。

保守性と進歩性。一見矛盾する色彩が、会社にも組合にもあるが、それが多様性という形で共有されているところに特質がある。

本書は、登場人物の会話を通して、この様々な側面を正直に表出する。会話の中で、対立した見解を述べ合うことによって、その多面性と統一が浮き彫りにされる。

見事な形態を考え出したものだ。

20年間同労組の顧問弁護士であった私としても共感するところ大である。

もちろん私はごく一部を垣間見ただけであるが、納得感がある。

登場人物の雑談の中に、「マルクスがフォイエルバッハを乗りこえたという常識の再検討」「レーニンと訣別」といった会話も登場してくるが、次著はこの辺を深堀してほしいと思う。

ちなみに、私についても触れられている。そこで紹介されている拙著『刑事司法改革 ヨーロッパと日本』(岩波ブックレット・共著)は、著者の編集により生まれたものであった。

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