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2017年7月18日 (火)

TOC条約締結で犯罪人引渡を受けられるか

TOC条約(=国連犯罪防止条約)締結のためという理由で、共謀罪が成立した。

日弁連は、共謀罪がなくても条約締結できるという立場であり、共謀罪策定の口実としてTOC条約締結を利用しているだけだと訴えてきた。

711日共謀罪施行を受けて、法務省HPが更新された。

これでTOC条約に加盟し、犯罪人引渡条約がなくてもスムーズに犯罪人引渡ができると手放しで喜んでいる雰囲気が伝わってくる。

ちなみに、日本が犯罪人引渡条約を締結している国はアメリカと韓国の2ヶ国だけ。

法務省HPには、TOC条約がない場合には、ドイツ、フランスなどには、犯罪人引渡条約がなくても国際礼譲で引渡請求はできるが、対応する義務はなく、フィリピン、オランダなどは条約が必要で引渡を受けられないと記載されている。

ところが、TOC条約があれば、いずれにせよそれを根拠として引渡請求が可能になり、相手国には引渡手続を迅速に行うよう努力する義務が生じるという。

しかし、TOC条約に加盟しても、努力義務だけでは、ヨーロッパ諸国とは、死刑の可能性がある事件は相変わらず犯罪人引渡ができないことに変わりないであろう。

法務省HPはそのことに頬被りしている。

「テロ対策」だとして「テロ等準備罪」と銘打って(ごまかして)共謀罪を成立させた以上、テロに関わる死刑の可能性がある事件の犯罪人引渡がどうなるか、何も触れないのはおかしい。

テロのような死刑事件では、相変わらず引渡を受けられないときちんと説明すべきであろう。

このような事件で本当に引渡を受けるためには、日本でも死刑を廃止するしかない。それが実は、日本での裁判を求める事件被害者のためにもなることである。 

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