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2017年5月 5日 (金)

共謀罪の主体は個人

政府は、共謀罪の犯罪主体は組織的犯罪集団であり、一般市民は関係ないと説明している。

しかし、法案は、2人以上で計画した者が犯罪主体とされており、何ら限定されていない。 もっとも、「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団」の活動として、一定の犯罪遂行を計画した者が処罰されるとするから、組織的犯罪集団の活動として計画されるものではある。

しかし、その組織的犯罪集団とは、組織的逮捕監禁、組織的強要、組織的虚偽風説流布・偽計信用棄損・業務妨害、組織的威力業務妨害、組織的詐欺、組織的恐喝、公正証書原本不実記載、背任、横領、強制労働(労基法5条)、特許権侵害、商標権侵害、脱税、著作権侵害、営業秘密不正取得などを、共同目的として実行する団体とされている。

一般市民と関わりのある犯罪類型がたくさんあり、正当な行為でも見方によってはこれらの犯罪とされる恐れが多分にある(現に、これまでも、労働組合運動や市民運動をはじめ、そのような実例がたくさんある)から、一般市民と関わりないとは到底いえない。これらを「組織的犯罪集団」と称してレッテル張りしているだけである。

具体例で想定すると、沖縄の基地反対運動で、高江の山城議長が威力業務妨害罪などで逮捕され、現在公判中である。

山城議長らの団体は、座り込み(組織的威力業務妨害)を共同の目的として実行する団体であるから、組織的犯罪集団とされ、 その団体の活動として、座り込みを「2人以上で計画した者」が犯罪主体となる。

計画者2人ともが、団体メンバーでなくてもよい。例えば、山城議長の相談によくのっている本土の国会議員、記者など誰でもよい。 彼らが、近々沖縄に行くので、山城議長に、「自衛隊が『米艦防護』した今こそ、すぐに座り込み闘争すべきだ」とアドバイスしようと「計画」し、そのうちの1人が航空券を手配すれば、組織的威力業務妨害共謀罪がこの段階で成立する恐れがある。 山城議長(の側近でも)が上京し、この相談=計画をすれば、なおさらである。座り込みを実行する前だから、どんな座り込みの態様になるかもわからない(全く平穏に行われるかもしれない)のに、犯罪が成立し、逮捕、捜索されることになる。

この座り込みを正当な活動だと擁護する記事を書こうと編集会議をすれば、記事にする前に、組織的虚偽風説流布共謀罪が成立する恐れがある。その記事が本当に組織的虚偽風説流布罪に該当するのか、記事を書く前なので検証しようがないが、共謀罪は記事を書かなくても成立する。琉球新報や沖縄タイムスは、これで弾圧されるといった事態が想定される。 まさに、憲法上の表現の自由が危機に瀕するといわざるを得ない。

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