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2017年1月18日 (水)

「共謀罪」の2つのウソ

菅官房長官も金田法務大臣も、今回検討されている「テロ等組織犯罪準備罪」は、以前の「共謀罪」とは異なる、テロ対策の新法案であることを強調している。マスコミも、以前の「団体」を「組織的犯罪集団」と構成要件を絞り、「準備行為」という要件まで付加したという政府の説明を真に受けて、そのまま報道している。

しかし、実は、既に廃案となった「共謀罪」の与党再修正案と、「組織的犯罪集団」「準備行為」という用語まで全く同じである。

過去の与党再修正案と全く同じと言っていい法案を、「過去の共謀罪とは異なる」と強弁し、既に潰れた与党再修正案に全く触れないというのは、ペテンとしかいいようがない。

また、政府は、「市民団体などを規制するものではない」と弁明するが、沖縄の基地反対運動で、「座り込み」しようと話し合えば、それだけで、組織的威力業務妨害罪の共謀とされる恐れがある。それまで何もしてなくても、これから「座り込みしよう」と話すだけで、途端に、組織的威力業務妨害の「組織的犯罪集団」になったとされ、そのメールが共謀罪を立証する証拠として、昨年改悪された盗聴法の対象犯罪とされるだろう。

多数の選挙人に運動費を支払う相談をしただけで、多数人買収罪の共謀とされ、途端に、多数人買収の「組織的犯罪集団」とされる恐れがある。その電話が共謀罪を立証する証拠として盗聴法の対象犯罪とされるだろう。

座り込みをしなくても、お金を渡さなくても、その話をしただけで、共謀罪が成立し、その盗聴により証拠を獲得して、逮捕・捜索することができる。

政府がいくら濫用しないと強調しても、戦前の治安維持法がそうであったように、市民に牙が向けられること必須であろう。

戦前の治安維持法が刑事手続を骨抜きにしたように、今回の「共謀罪」が刑法の行為原則を骨抜きにするであろう。

「共謀罪」をめぐる政府のこの2つのウソを暴くことが、立法を阻止する要である。

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