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2016年10月

2016年10月17日 (月)

死刑廃止とえん罪

107日福井で開かれた日弁連人権大会で、2020年までに死刑廃止を求める宣言が参加会員の7割の賛成で採択された。私は前日の6日、シンポ「死刑廃止と拘禁刑の改革を考える」分科会実行委員会副委員長として、「日本の拘禁刑と死刑の現状と課題」について報告した。

死刑廃止の理由のひとつは、えん罪なら取り返しがつかないことである。大会当日、死刑賛成論者からは、死刑以外にもえん罪があるのだからえん罪は死刑制度とは別の問題であるし、国際的潮流が死刑廃止であっても日本は独自に判断すべきだとの発言があった。

しかしながら、「日本の刑事司法は、冤罪を生みやすい構造を持つ。長期の身柄拘束と自白偏重の取り調べが続いているし、証拠の全面開示もない。欠陥だらけなのだ。」(本年108日付東京新聞社説)。死刑廃止議連会長の亀井静香衆議院議員は、警察幹部の経験から、取調官に迎合する(真実と異なる)供述が簡単に取れるという

日本のえん罪の温床は、未だに存続している代用監獄(警察留置場)である。袴田事件では、代用監獄に勾留され、真夏に、連日、密室で、汗だくになりながら汗を拭くことも禁じられ、1日平均12時間以上取調べられ、勾留満期3日前に自白した。

2014年国際人権(自由権)規約委員会は、日本政府に対して、「代用監獄を廃止するためにあらゆる手段を講じる」よう勧告した(日弁連編『国際人権(自由権)規約第6回日本政府報告書審査の記録』現代人文社2016年)。代用監獄を廃止しない限り、日本独特のえん罪構造を打破できず、死刑えん罪のリスクは限りなく続く。

先週金曜日、フロリダ州最高裁判所は死刑法に違憲判決を出した。死刑法は12人の陪審員のうち10人の賛成で死刑判決可能とするが、12人全員の賛成を必要としない死刑法は違憲というのである。日本は基本的に過半数で死刑判決が出せる。

死刑廃止という国際的流れの中で、2020年にオリンピックを開催する日本は、いつまで孤立を深めるのか。

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