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2015年9月

2015年9月11日 (金)

ニュージーランドに渡航して

政府から独立した人権委員会を作るべきだ、と国連総会が決議し(パリ原則)、日本政府に対して国連条約機関から度々勧告されている。その実現を目指す日弁連の委員会(国内人権機関実現委員会)事務局長として、他の委員らと共に、8月末、ニュージーランド人権委員会、オンブズマンなどを訪れた。

そこで聞いた話…ニュージーランドには警察とは別の組織である独立警察があるとのこと。警察官の不祥事(飲酒運転など)やパトカーが犯人を追跡していて事故に遭ったなど、警察に関わる事件、事故が発生すると、直ちに、通常の警察ではなく、独立警察が出動する。なぜなら、警察に任せると、身内のことだから甘い処理をされたり、隠蔽される恐れがあるから。

なるほど、合理的な考え方だ。

この国では、理屈と理屈、論理と論理をぶつけ合い、その論争に勝利した側の結論を採る、あるいは、そこで納得し合った着地点に到達する、こうして物事が決められて行く、と今回通訳してくれた、当地で活動している西村純一弁護士からお聞きした。

羨ましい。日本は理屈が通らない社会だ。

安保法案では、後方支援の兵站活動だからリスクがない、などと小学生にも通用しない理屈を総理大臣が明言してはばからない。

外国には盗聴があるといっても、盗聴する警察をチェックするシステムがそれなりにあるが、日本にはない。ニュージーランドの独立警察のようなものを作るならまだしも、警察の組織的盗聴だと裁判所が認定しても、それを認めない日本警察の体質を見れば、盗聴の立会人をなくそうとする今回の刑訴法案の怖さがわかる。

組織犯罪に限定して盗聴すると政府は説明しているが、法案には何も限定がない。警察をただ信じよ、というのか。

取調べの録音録画で自白が取れにくくなるから盗聴という方法を採る、と政府は説明するが、録音録画の対象となる犯罪をはるかに超えて、窃盗などの一般犯罪まで盗聴できるというのだから、理屈が合わない。司法取引も録音録画と対象犯罪が異なる。

部下が上司を密告すれば、その部下は不起訴にするという法案が成立すれば、これだけで企業がつぶれてしまう恐れがあるのに、日本の企業はよく黙っているなと思う。政府は、暴力団対策だなどというが、法案はそれに限定されていない。

「国際協調」といって安保法案を作り、盗聴も拡大しようとしているが、それを言うなら、日本の刑事司法を国際レベルに引き上げることが先決であろう。取調べに弁護人の立会いを認めず、代用監獄で長期間、長時間取調べる日本は、国連条約機関から「中世」といわれているが、恥ずかしくないのか。

日本も理屈が通る社会になれば、どれほど住みよくなるかと思うのだが。

9月13日(日)午後2時~5時、日比谷図書文化館コンベンションホールにて、冤罪被害者たちが、「ニセ可視化、司法取引・盗聴拡大を許さない市民集会」を開き、刑訴法案廃案を訴える。

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