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2015年8月

2015年8月31日 (月)

刑訴法案の先行き不透明

刑訴法一部改定案は、8月21日参議院本会議で趣旨説明が行われたが、いまだ法務委員会での審議に入っていない。ヘイトスピーチ法案の扱いとも絡んで、いつ審議入りするか、微妙な情勢だ。

衆議院法務委員会の野党委員(民主党、維新の党、共産党)は共同勉強会を積み重ね、結束して、委員会では本質を突いた鋭い質問がなされ、充実した審議が行われた。にもかかわらず、土壇場で、共産党を除いた共同修正案が提出され、可決された。

そのような経緯で参議院に送られた法案に、民主党、維新の党がどのような姿勢で臨むか注目されたが、本会議での質問は、衆議院はどうであれ、参議院は参議院だといわんばかりの、力強いものであった。

えん罪被害者やその支援者たち(布川事件、東電OL事件、足利事件、袴田事件、志布志事件、氷見事件、福井事件、狭山事件、痴漢えん罪事件等々)は、大いに勇気づけられ、来る93日午後3時~5時参議院議員会館1階講堂で、法案の徹底審議を求める院内集会を企画している。

彼らは、可視化について、自白する場面だけを可視化する「いいとこ取(撮)り」法案であり、危険な一部可視化の合法化、固定化で、「一歩前進」ともいえない、かえってえん罪を増やすと、猛反対している。

法案が国会に提出された今年3月から毎月、院内外で市民集会を開き、思い思いに法案反対の意見表明をしている。美濃加茂市長やその弁護人である郷原弁護士もこの集会で報告した。集会には、毎回、各党の国会議員が参加し(自民党議員の参加もあった)、国会報告している。

微々たるものにしろ衆議院での修正に政府与党が応じたのは、これら反対運動とそれを受けた野党の頑張りがあったからだ。

このところマスコミは、司法取引への関心を急速に強め、「司法取引法案」との報道も目につく。「参議院では慎重審議を」という報道が、とりわけ地方紙(社説)では一斉になされている。

参議院法務委員会の審議はこの2週間が山場といわれる。戦争法案とも重なり合い、いよいよ法案の行方がわからなくなった。

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2015年8月12日 (水)

鬼気迫る衆院本会議 刑訴法案採決

201587日衆議院本会議で刑訴法等一部改定案が採決された。与党と民主党、維新の党との共同修正案だ。

この間の衆議院法務委員会の議論は中身の濃い、充実したものであった。与野党共に、よく審議していた。法務委員会委員長(自民党)もよくリードしていたと思う。私が参考人として出た78日の審議も、最初から最後までシーンとして各党よく聞いてくれたし、いい質問をしてくれた。

なのに、なぜ、民主党、維新の党が微々たる修正案に賛成したのか。両党がそれまでに出していた修正案は、実質廃案を求めるに等しい素晴らしい案であったのに。

法務委員のレベルを超えた国対あるいはそれ以上の野党幹部の指令があったといわれる。そこに日弁連執行部が法案成立のために働きかけたともいわれるが、真相はわからない。

山尾委員(民主党)の賛成討論は、微々たる修正の理由説明に充てられていたが、鬼気迫るものであった。井出委員(維新の党)の賛成討論は、ほとんど反対討論であった。畑野委員(共産党)の反対討論は、怒りにふるえていた。3野党の心の叫びが伝わり、涙をこらえられなかった。衆議院法務委員会の野党委員たちは、本当に真剣にたたかったと思う。日弁連が賛成するという特異な状況でありながら、よく頑張った。

なのに、なぜ?

刑訴法は国の根幹にかかわる問題であり、政治的取引するような課題ではないと、私は参考人陳述の終わりに締めくくったのだが。

舞台は参議院に移る。参議院は衆議院のコピーではない、と先日、参議院安保特別委員会委員長が強調していた。法案の論点は未だ尽くされていない。何しろ、本来、盗聴法案、司法取引法案、可視化法案など別々の法案として別々に審議されるべきテーマでありながら、無理矢理一つの法案にされているのだから。

参院でも、慎重審議を尽くして、何とか廃案に追い込みたい。

 

 

 

 

201587日衆議院本会議で刑訴法等一部改定案が採択された。与党と民主党、維新の党との共同修正案だ。

 

この間の衆議院法務委員会の議論は中身の濃い、充実したものであった。与野党共に、よく審議していた。法務委員会委員長(自民党)も真摯に議論を尽くすようによくリードしていたと思う。私が参考人として出た78日の審議も、最初から最後までシーンとして各党よく聞いてくれたし、いい質問をしてくれた。

 

なのに、なぜ、民主党、維新の党が微々たる修正案に賛成したのか。両党がそれまでに出していた修正案は、実質廃案を求めるに等しい素晴らしい案であったのに。

 

法務委員のレベルを超えた国対あるいはそれ以上の野党幹部の指令があったといわれる。そこに日弁連執行部が法案成立のために働きかけたともいわれるが、真相はわからない。

 

山尾委員(民主党)の賛成討論は、微々たる修正の理由説明に充てられていたが、鬼気迫るものであった。井出委員(維新の党)の賛成討論は、ほとんど反対討論であった。畑野委員(共産党)の反対討論は、怒りに満ちていた。3野党の心の叫びが伝わり、涙をこらえられなかった。衆議院法務委員会の野党委員たちは、本当に真剣にたたかったと思う。日弁連が賛成するという特異な状況でありながら、よく頑張ったと思う。

 

だのに、なぜ?刑訴法は国の根幹にかかわる問題であり、政治的取引するような課題ではないと、私は参考人陳述の終わりに締めくくったのだが。

 

舞台は参議院に移る。参議院は衆議院のコピーではない、と先日、参議院安保特別委員会委員長が強調していた。法案の論点は未だ尽くされていない。何しろ、本来、盗聴法案、司法取引法案、可視化法案など別の法案として別々に審議されるべきテーマでありながら、一つの法案に無理矢理されているのだから。慎重審議を尽くして、何とか廃案に追い込みたい。

 

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2015年8月10日 (月)

本音で語った今年の夏

安倍首相のおかげで、これほど、日本人のみんなが戦争を語ったことはなかったであろう。

先日、帰京した時、母は松山大空襲で、石手川に逃げた話をした。以前聞いたことはあるけれど、何十年ぶりだったろうか。その母は、「集団的自衛権って何?」と聞いた。90歳。

義理の母は、「今治から松山が焼けるのがよく見えた。」と語った。初めて聞いた。

義理の母の甥の嫁が、彼女の大学生の息子の前で、戦争の話を義理の母から一所懸命聞き出していた。

こんなことは、初めてだ。

安倍さん、ありがとう。この記念すべき70周年に、日本列島の至る所で、戦争を、原爆を、無差別大空襲を家族、親族、友人たちで語っているであろう。

ゲルニカ、重慶に始まった無差別爆撃は、実は、日本列島の都市ほとんどに実践しているのだ。広島、長崎の原爆はもとより。

加害も、被害も、トータルに語るべき時に来ている。戦勝国も、敗戦国も。

日本市民と世界市民の共存共栄のために。

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2015年8月 4日 (火)

「原則」と「例外」

「海外派兵は憲法上、一般に許されないと解している。一般というのは完全に全部ではないわけで、ほとんどそうだ。しかし、例外を全く排除はしていない。」(安倍首相答弁・本年6月1日衆議院特別委員会)。

国会審議で安倍首相が多用する「一般」と「例外」について、「使うほどあいまいさを増す」という見出しの朝日新聞記事(本年7月26日付朝刊)は、「『海外派兵は一般に許されない』という言葉は何も言っていないのと同じではないだろうか。」と指摘する。 その通りだ。

そこで直ちに、今回の刑訴法等一部改正案を連想した。「原則」と「例外」という名の下に、あまりにもあいまいな例外規定が目につく。

取調べの可視化原則の例外として、「被疑者が十分な供述をすることができない」ときは可視化しなくていいという規定は、あまりにも広すぎて、例外規定ともいえない。証拠開示が「捜査に支障を生ずるおそれ」があれば開示しなくていいという例外規定は、あまりにも抽象的である。

要するに、これら例外規定は、使う行政権力側の裁量でいかようにでも広げられる。「一般」・「原則」を適用し、「例外」を文字通り限定する歯止めにはならない。

私は、7月8日の衆議院法務委員会で参考人として、このことを指摘し、「捜査のため」「真相解明のため」といえば水戸黄門の印籠にのように何でも歯止めなく許されるという法案の思想を批判した。

衆議院法務委員会は明日、衆議院本会議は8月7日にも強行採決するという情勢だ。国の根幹を定める刑事訴訟法等の改定は、強行採決する性格のものではない。与野党が十分に協議して、多数が了解する成案をまとめるべきものだ。

冤罪被害者と支援者たちが、8月6日午後4時~6時衆議院第1議員会館1階国際会議室で緊急集会を開く。袴田事件弁護団やジャーナリスト青木理さんのトークがあり、各党の国会議員から最新情報が提供される。 盗聴法、司法取引など、本来であれば、マスメディアが大騒ぎするテーマであるはずだが、戦争法案の影に隠れている。大詰めを迎えた衆議院での審議について、この機会にメディアが大きく取り上げてほしい。

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