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2015年1月

2015年1月 7日 (水)

新年に日本の刑事司法の行く末を想う

 2015年を迎えて、日本の刑事司法の行く末を想うと、波瀾万丈という気がする。

 いよいよ、法制審答申を受けて、拡大盗聴法、密告奨励法(日本型司法取引)、抜け道だらけの部分可視化法が国会に登場する運びだ。追っかけて、共謀罪まで登場を狙っている。

 

 これに対する反対運動が急速に起こりつつある。春の通常国会はかなり荒れるのではないか、いや、そうしなければならない。

 低レベルの法制審答申に比べて、昨年7月に審議された国際人権(自由権)規約委員会の日本政府に対する勧告は大変鋭いものであった。

 2日間の審議を終えるに当たって、ロドリー議長の閉会の挨拶は、「繰り返しのプロセスがある。勧告が考慮されない、そこでまた勧告するという繰り返し。これは資源の有効活用とはいえない。同じ勧告を繰り返させるな。」といういらだちから始まった。数年に1回の審議で、日本政府が一向に勧告を尊重せず、毎回同じことの繰り返しであることを皮肉ったのだ。

 議長は続けて、「代用監獄を維持しているのは自白を求めたいと考えているためというのが唯一の理由ではないか。拷問禁止委員会等を含めて勧告しているのに抵抗しているのが残念だ。日本政府は国際社会に抵抗しているようにみえる。」とまで言い切った。

 審議中、袴田事件に3人の委員が触れた。この事件は私たちが想像する以上に全世界的に広く知られている。

今回の最終見解は、「代用監獄を廃止するためにあらゆる手段を講じるか、さもなければ、特に、起訴前保釈、弁護人が取調中に立ち会うこと、取調について、継続時間の厳格な時間制限及び方法を設定する立法措置,また、取調は全部ビデオ録画されるべきこと、独立した不服審査メカニズムなどを保障することによって,規約9条及び規約14条におけるすべての保障の完全な遵守を確保すべきである。」などと、一層踏み込んだ勧告になった。

「代用監獄を廃止するためにあらゆる手段を講じ」るようにとは、最大級の警告である。「さもなければ…」というのも、これが実現すれば代用監獄(の弊害)を実質的になくすことに他ならない。

いま検討されている規約93項の「一般的意見」草案は、「勾留後、被疑者を警察留置場に連れ戻すことは許されず、警察とは別機関が管理運営する施設に収容しなければならない」と明記している。

日本の刑事司法について、「まるで『中世』のようだ」と鋭く言い放ったのは、2013年拷問禁止委員会でのドマ委員だった。彼の見識の高さに感銘を受けて、昨年3月に日弁連が招聘した模様は、私のこのブログに連載しているところだ。

新年を迎えて、日本が国際社会から孤立を深めていることをしっかり認識するところから出発しなければならないと思う。

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