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2012年9月

2012年9月16日 (日)

『寅さんとイエス』

友人の米田彰男君の新刊本『寅さんとイエス』(筑摩選書)が、毎日新聞、朝日新聞、日経新聞の先々週、先週の日曜日の書評欄に大きく取り上げられた。

彼とは、小学校1年生の時からの竹馬の友である。松山の家も比較的近かった。

あのお茶目な、ユーモラスな彼がどうして神父になったのか、しかも、日本ではトップだということが私にはこの本を読むまでよくわからなかった。

この本にも書いているが、クリスチャンというと、どうしても大変真面目なイメージがあって、彼のイメージと合わないのだ(失礼)。

しかし、この本を読んでわかった。クリスチャンは別に笑わない人ではない。むしろ、イエスは、ユーモラスな異端児で笑いの人であったと。まるで、寅さんと同じ「風天」であったと。

ふむ…こんな大胆な本を出版して彼の将来は大丈夫だろうか、と余計な心配をしてしまう。

でも、このタイトルは興味津々で、つい買って読んでみたくなる。と思っていたところ、彼から贈呈されて、むさぼり読んでしまった。

恥ずかしながら、カソリックの中学高校に学びながら、私は不真面目な「学徒」であった。

イエスが実在したかどうかもわからなかったが、彼が、イエスは実在し人間であると、この本で何度も断言しているから、実在したのであろう。

では、神は存在するのか、否か、それは賭けみたいなものだという(私の誤読かもしれませんが)から、そうかもしれない。

この本を読んで、私は初めてキリスト教というものをまともに考えるようになった(失礼、でもこれがこの本の最大の功績だと思う)。

ちょうど、いま、私の父が91歳で、この7月から3度目の入院を繰り返しているという状況と重なっていることも影響しているかもしれない。

この本を読み終わって、イエスが実在した人間であるとして、結局、イエスの「復活」を信じるかどうかなのか、という気もしている。

それにしても、米田君は、昔の米田君であった。

「男はつらいよ」を多分全部よく見ているのだろう。しかも何度も。そのユーモアを全面展開できるのは、彼がやはりお茶目な人間であったという本質を今も持っているということだ。それがわかって、安心した。

それがついに、イエスまで、寅さんと同じだと言わしめた。この大胆さには恐れ入った。しかも、ラテン語はもとより、ものすごく多くの言語をものにし、読破しているようだ。この語学力と博識には恐れ入った。

彼は、私より、はるかに別世界の偉大な人間に到達している。竹馬の友のころは、同じレベルだと思っていたのに……。

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