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2009年5月10日 (日)

裁判員制度の守秘義務はどこまでか

5月6日付日経新聞で、最高裁・小川刑事局長は、「感想についてはどんどん語っていただければいい。多くの方に伝われば、制度の定着に有意義」と語る。

5月3日朝日新聞で、但木・元検事総長は、「評議の具体的なやりとりを話してはいけない『守秘義務』はありますが、実際に刑事罰が科せられるのは極端な場合に限られると思います。私はむしろ、評議で自分が考えたことや感じたことなど、経験を大いに伝えてもらえるよう期待しています。」と語る。

これまで同様の規定のある検察審査会で守秘義務違反が問題になった例は聞かないし、調停や証人の出頭義務違反が問われた例も聞かない。

裁判員の守秘義務違反も、同様に、実際には問題にされることはまずないだろう、というのが法律家の常識的な見方であろう。

ここにきてようやく、元検事総長の「実際に刑事罰が科せられるのは極端な場合に限られると思います。」との談話が出た。これはきわめて重い言葉だ。

最高裁も、以前から、感想はどんどん言っていい、と話しており、私も直接、最高裁事務総局の方から聞いた。制度定着のためにはむしろ必要なことだ、とまで語っていた。同じことを、いまや、堂々と新聞にも載せるようになったのだ。さらに、最高裁は、判決後の裁判員の記者会見にも協力的だ。

では、どこまでが守秘義務の対象となるのか。

プライバシーに関わることと、特定の誰が何を言ったか、どんな結論を出したか、と他人の名前を特定して具体的に暴露することくらいで、あとは、評議の感想として、自由に語るべきではないか、それが特に問題とされずに通用するようにしていくべきではないか、と思う。

制度を定着させ、改善するためにはどうしても必要なことであり、弁護士、弁護士会はその方向が強まるように意識的に活動することが、制度発足当初から求められていると思う。

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