裁判員法施行を迎えて~運用上実現すべきこと
いよいよ明日裁判員法が施行される。施行に当たって、次のことは是非運用上実現されたい。
1)公判前整理手続の公開について
公判前整理手続は非公開とされるが、法律上明文はない。これは、非公開でもいいという程度の意味であって、公開にしてはいけない、違法であるという趣旨ではない。
むしろ、逆に、要請があれば公開にするのが憲法上の「裁判公開の原則」に沿う。韓国の陪審制では原則公開とされている。
せめて、親族、支援者などの傍聴は要請があれば許されるべきである(民事訴訟法訴169条2項 弁論準備手続において、「申し出による傍聴を支障なき限り許さなければならない」との規定が参考になる)。
2)説示
裁判長の説示が弁護人に開示されるべきである。適切な説示か否かを弁護人がチェックする必要があるからである。
アメリカでは、審理の最初と最後に公開法廷で陪審員に必ず説示している。
関連して、弁護側が、刑事裁判の推定無罪原則などについて言及することがあるのは当然であり、冒頭陳述を含めて制限されるいわれはない。
3)評議の中で、公判記録(速記録)が活用されるべきである。
4)死刑を評決する場合は、全員一致、少なくとも3分の2の特別多数になるまで、とりわけ慎重に評議するように努めるべきである。
5)守秘義務
「感想」を述べるのはいいと最高裁も言明している。判決後の裁判員の記者会見に積極的に対応するように勧めてほしい。
では、裁判員であった者の守秘義務の範囲はどこまでか。前回(5月10日)のブログに書いたが、付言すると…
「利益を得る目的」(裁判員法108条2項3号)の場合は論外であるが、❶裁判員、裁判官の具体的な名前を出してその意見内容と評決結果を知らせる(同項2号)❷プライバシーに関わる事項(同項1号)以外は、自由に感想を述べられるような運用、解釈とすべきである。もっとも、❸多少の数(同項2号)❹判決の当否(同条6項)についても、守秘義務の範囲をすることは、あまりにも明文がストレートなのでやむを得ないかもしれないが。
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