« 第二東京弁護士会の会長選挙 | トップページ | 検察立証が逆効果かー江東区バラバラ殺人事件判決 »

2009年2月11日 (水)

刑事裁判判決後の損害賠償命令制度

昨年12月、被害者参加制度と共に施行された。刑事裁判の被害者や遺族が、民事裁判を起こさなくても刑事裁判の記録を利用して、被告人に損害賠償請求できる制度である。

広島地裁に続いて、今回東京地裁でこの制度が適用されたことが報じられた。

刑事裁判の有罪判決後、同じ裁判官により直ちに審理が始まり、原則として4回までに決定が出され、異議が出されれば通常の民事裁判に移行する。申立手数料は一律2000円と格安だ。

東京地裁のこのケースは、治療費、慰謝料など計60万円の支払いを求めて申立たという。

一般的には、犯罪被害者が加害者(被告人)に損害賠償請求しても、被告人に資力がなく、実効性がない場合が多い。そこで被告人としては、刑事裁判の終結までに、親兄弟などから資金調達して、示談にして、刑を軽くしてもらおうとする。被害者側も、このときしか回収の見込みがないから、示談に応じる。

このパターンはこの制度が施行されても変わらない。やはり、基本は、刑事裁判終結までの示談交渉である。

ただ、示談が成立しなかったときに、この制度が威力を発揮する余地が出てくる。従来の刑事記録がそのまま利用でき、従来の事情を知った裁判官がそのまま審理し、通常、被害者代理人として刑事公判にも参加した弁護士が引き続き担当することになるであろうから、関係者が簡易迅速に対応できる。

刑事裁判とは別に民事裁判を起こさなければならない従来のやり方では、60万円程度の請求に弁護士が対応できるか(弁護士費用との関係でペイするか)という問題が出てくるのだが、この制度であれば簡易迅速な手続なので、比較的クリアできそうだ。回収も、不可能ではないかもしれない。

この制度は、被害者にとって便宜であり、評価できる。今後どのように利用されるか注目してみたい。

|

« 第二東京弁護士会の会長選挙 | トップページ | 検察立証が逆効果かー江東区バラバラ殺人事件判決 »

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 刑事裁判判決後の損害賠償命令制度:

» 弁護士検索ナビ [弁護士検索ナビ]
弁護士の検索サイト。 [続きを読む]

受信: 2009年2月12日 (木) 19時35分

» 交通事故の示談書サイト [交通事故の示談書サイト]
交通事故の示談書サイトです [続きを読む]

受信: 2009年2月13日 (金) 01時25分

» 交通事故の示談交渉センター [交通事故の示談交渉センター]
交通事故の示談交渉を調べるセンター [続きを読む]

受信: 2009年2月14日 (土) 01時57分

« 第二東京弁護士会の会長選挙 | トップページ | 検察立証が逆効果かー江東区バラバラ殺人事件判決 »