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2008年12月 8日 (月)

裁判員制度のNHK特集

 12月6日土曜日夜の特集は、裁判員候補者名簿が作成され、該当者に通知された直後というタイミングで、さすがNHKならではというものであったが、出演者が多すぎて、深まりがなかった。手前味噌になるが、私が6月に出演した「朝まで生テレビ」の方が、よく絡み合っていたと思う。あれだけ出演者が多ければ仕方がないとは思う。

 興味深かったのは、裁判員制度反対の人たちも多くが、裁判員制度が市民の司法参加という点では意義あることと評価していたことである。

 土本さんが、「市民に有罪か無罪かを判断させるのは反対だが、量刑を決めるのは賛成」と発言したのに対して、四宮弁護士が、「それは逆だ」と対応した。陪審論者からみれば、当然の対応だし、私も以前はそう答えたかもしれない。でも、模擬裁判を経験してみて、裁判員が評議で真剣に悩む様子を見て(模擬だから、評議が見える)、裁判員が量刑も判断することもいいのではないかとますます思うようになった。量刑相場を参考にしながら、個別に判断すればいい。

 その際、刑を長くすればするほどいいのか、そうすればより社会復帰が困難になる、無期懲役の仮釈放が10年でできるというのは法律でそうなっているが、実際は、30年以上たってようやく仮釈放される、その数も年間3人程度と少なくなっている、刑務所の中で亡くなる無期懲役者の方が多い、死刑執行は当日の朝しか知らされないのは日本だけ、といった事実を知って、量刑を判断してほしい。

 弁護人の最終弁論は当然こういうことに触れるだろうし、触れなければいけない。こうして、市民が判決確定後の受刑者の処遇について関心を持つようになるということは、大変いいことだ。そこから改革が進む。

 これまでのプロのみの裁判では、このようなことに触れる弁論はそれほどなかっただろう。プロたちも、判決確定後のことについて、実はあまり知らず、関心もなかった。知っているつもりになっていただけというのが実情であろう。

 裁判員が真剣に量刑を考えることによって、ようやく判決確定後の問題に光が当たることになりそうだ。

 裁判員は、被害者側と被告人側双方の状況を目の当たりにすることによって、それぞれにぶれて、悩む。大いに悩んで、評議し、自らの信ずるところに従って判断を下してほしい。プロが量刑相場に従って、当てはめる結論が本当にそれでいいのか、その量刑相場そのものが見直されていい。なぜなら、その相場が正しい、などとは科学的には何も決まっていないからだ。実際、その相場そのものが変容している。近時の重罰化はその証拠だ。世間の重罰化の風潮に流されて、裁判所の判決が以前よりも重罰化していることは紛れもない事実だ。つまり、相場といっても、時の状況にながされるいい加減なものだ。裁判官は世論にものすごく弱い。それを、相場は時代とともに変わるものだなどと正当化していいのだろうか。なんとなく、相場がこの程度だたから、今回も同じ程度にしよう、となっているのではないか。それはバランスとしては妥当だということであって、公平といえば公平だが、そもそも本当にその量刑でいいのか、個別に真剣に裁判員とともに考えることが大切ではないか。

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